なち相談室がとらえる「摂食障害」という心の病


摂食障害という病


摂食障害については、日本にはいまだに治療法が確立されておらず、病院のマニュアルは認知行動療法の一辺倒です。
命を守る必要のある人にとっては有効ですが、あくまでも一次的であって、正気にもどったら病院を出る必要があります。
病院では命を救えますが、摂食障害は治りません。

摂食障害という病


摂食障害は我慢病
なち相談室では、摂食障害はイコール“我慢病”であるととらえています。相談室にたどり着くみんなの100%が、 感情を表現することを我慢してきているからです。 そして本人は、我慢していることをに無自覚なことが多いのです。「自分のことがわからない」これは皆が口をそろえて言うせりふですが、 自分の感情を抑えてきた証拠なのです。本来、感情を表現しながら“自分”を知り、相手にも受け止めてもらうことで、 “自分”というものを確立していけるのです。
摂食障害は我慢しなくては生きてこれなかった皆が、自分を大切にしていくことを学ぶために起きている心の病なのです。
その症状だけをみて、重症とか軽症とか分けるのではなく、先ずは家族や治療者なのの関わる人が、当事者を尊敬することが基本です

症状がなくなるのは最後でいい
「私の症状は何のために出ているのでしょうか?」と聞かれれば、「生き方を見直すためだよ」と答えます。
この症状さえなければいいのに、と思う皆さんやご家族の方は多いと思いますが、症状にだけ目を向けて、取り去ろうという考えを なち相談室ではしていません。怪我などの急性症状ならばそこだけ治せばいいのでしょうが、 残念ながら心の病は慢性症状です。そんなに簡単なものではありません。長い時間をかけて行き着いて出た症状だけに、 時間をかけてゆっくりと治していくことが必要なのです。
症状をなくすことだけに躍起になっているうちは、何の解決にも至りません。むしろ、薬や行動療法で、症状だけを 取ってしまうことは危険です。
症状は自分の生き方を見直すために出ているのです。根底にある自分の我慢に気付き、そこを解決し行くために、「こうあるべき」 という正しい自分象を手放し、「こうありたい」という等身大の自分を見つける頃には、必ず症状は終焉を迎えます。

親の力で治る
摂食障害という心の病を治すのは、最終的には本人です。しかし本人が心底から治したいと思うまでには、親の力が必要 です。親が学び、いかに子どもの気持ちに気づいていけるかにかかっています。お父さん、お母さんが子どもに対して 「あなたでいいのだよ〜!」と強く思うことです。そういう思いから出る言葉や態度で、子どもを丸ごと包んであげたらいいのです。

摂食障害の心の仕組み
摂食障害は、拒食であっても過食であっても根本は同じで、食欲を満たすことを拒否する病です。摂食障害になる人は、症状が出る前にすでに たくさんの我慢をしていて、限界にきているのです。その心の仕組みについて話をします。

人は誰にでも根本には<愛されたい・大事にされたいという欲求@>が強くあります。摂食障害の人は特に@が満たされていないという思いを強く 持っています。兄弟が病気でお母さんの意識がいつも他の兄弟にいっていたり、お姑さんとの関係が悪くてお母さんが悩んでいたり、お母さんにも 様々な事情があると思います。しかし子どもにしてみれば、ようやく心の内を話せたとき忙しそうにしていて無視されたり、お母さんに飛びついたときに 振り払われたり、悲しくて泣いたときに面倒くさいこともとして扱われたり・・・。お母さんに余裕がなかっただけかもしれませんが、子どもは 拒絶されたと感じてきたのです。
拒絶を繰り返された本人はひどく傷つき、「もう甘えない!、もう話さない!」と@にがっちりとふたをしてしまっているのです。蓋をしたからといって 諦めているわけではないので、傷ついたことが、やがて<恨みや怒りといった感情A>になり、それがたまれば親への仕返しという形になっていきます。そして、 それは言葉や態度の場合もありますし、経済的な面で困らせる場合もあります。そしてAを強く出しすぎると、今度は<見捨てられるのではないかという恐怖の 感情B>が出てきますので、そのときには親の顔色をみて、親の望むような言動をします。でもしょせん、その言動は恐怖からのものですから、恐怖の感情が 和らげば、またAの状態へ戻ります。そうしてAとBをいったりきたりします。これは本人が意識的にやっているのではなく、無意識にやっているのです。
AとBをいったりきたりすることで、周りを振り回したり、周りに振り回されるので、とてもつらく、またAとBが自分の中にあることが嫌なので、そこから逃げるため、 唯一の方法である、全てを抱え込んで<我慢するC>という方法をとるのです。そしてCの我慢が、人間の最も大きな欲求である食欲を我慢することにつながって しまうのです。人間にとって<食欲を我慢するD>ということほど大きな我慢はないのですから、より大きな我慢をすることによって、Cの我慢から意識を遠ざけて いるのです。これが摂食障害なのです。

回復するということ
カウンセリングを重ね、あるいは第三者が入り、このような状態であることを家族や本人が気づくことが 回復に欠かせないプロセスになります。親の会やグループセラビーはそのためにあります。とにかく隠れてしまっている @の欲求があることを自覚することができるといいともいます。